
【国内畜犬の現状】
犬という動物は、人類と共に数千年の長い時を過ごしていくうちに、様々な容姿に変化を遂げてきました。
ある時は偶発的に、またある時は意図的に作り出されてきた容姿は、現代の多種多様な犬種を産み出してきました。現在、世界各地で公認されている犬種は400種以上にものぼります。そのどれもが、長い年月をかけて、人と犬が共同で築き上げてきた文化の産物であり、種を越えた深い信頼関係が成しえた、地球上の奇跡の産物でもあります。その愛すべき犬たちが、今を生きる人たちとまた奇跡的な出会いを遂げて、一人一人一頭一頭が素敵なドラマを作り出していくことを望まずにはいれません。
ただし、意図的な交配の連続で、犬という種が遺伝的に多くの問題を抱える動物になってしまったという現実も無視できなくなっています。近年では過熱状態にあるペットブームで、需要の高い人気犬種の供給を満たすために、様々な形で無理な繁殖が頻発してしまっている現状があります。
さらに2008年1月から、海外からの犬凍結精液の承認により、今まで以上に多種多様な血統の遺伝子が、国内に流入しています。これまでも、海外から入ってきた繁殖犬に対して、獣医学的に繁殖に適しているか否かを客観的に判定するシステムや規制はありませんでした。その結果、遺伝的に問題のある個体の繁殖が繰り返され、規制の厳しい本場欧米では考えられないほど、日本は遺伝病天国となっています。
海外のブリーダーたちの間では「遺伝病を見たければ日本に行け」などとジョークまじりに言われるほど、日本国内には多種多様な遺伝病が蔓延しているという喜べない状況にあります。
【IDIDA JAPANの設立趣旨】
日本畜犬遺伝性疾患協会(Inherited Disease in Dogs Association JAPAN)、通称『IDIDA JAPAN』は、麻布大学獣医学部臨床繁殖学研究室を拠点に、獣医師の有志が中心となって、犬が健康で生活していくためのひとつのあり方として、遺伝性疾患を発現する犬を可能な限り産出しない為の努力をしていこうとの発想の元に、以下のような活動をおこなっています。
IDIDAは
- 遺伝性疾患についての正しい情報や知識を獣医さん、ブリーダーさん、飼い主さんへ発信していく
- 畜犬の病気の早期発見や発症予防のために遺伝病検査(DNA検査)を普及する
- 遺伝病に罹る畜犬の産出をなくすために、繁殖犬としての遺伝的適正判断方法として遺伝病検査(DNA検査)を普及する
- 遺伝性疾患の検査がDNAレベルで確立していない症例に対して、DNA分析を行い、多くの遺伝病の検査確立を目指す
こうしたテーマについて広く活動を続け、生まれながらにして遺伝性の疾患を持つ犬を少しでも減らし、また、遺伝性疾患を患っている、あるいは今後発症の可能性のある犬とその家族をサポートしていくことがIDIDA JAPANの設立目的です。 |